今回はお散歩で、パワースポットを訪れながらも、美味しいご飯にも寄ってきました。
今回のぶらりお散歩は、香取神宮です。
香取神宮は千葉県香取市にある神宮で、下総国の一宮です。
全国の神社本庁傘下において、「神宮」を公式な社号として名乗る神宮は、25社存在している神宮のひとつです。
関東には3つの神宮があり、明治神宮(東京都)、鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)と、この香取神宮です。
鹿島神宮もそうですが、緑に囲まれて、砂利を踏みしめながら、本殿に向かう参道を歩いて行きます。
緑の美しい参道をすすむ
この参道を歩みながら、木々の芽吹く5月、6月くらいの午前中に、木漏れ日が入り込む神秘的な光景がすごく好きなんですよ。
この空間は、マイナスイオンが充満しているといった感じで、とても気持ちよく、心が穏やかになるというか、本殿に着くまでに心が洗われるような空間です。
ほんとに気持ちいいですよ。
いろんな寺社仏閣訪れたりしますが、ここの参道は大好きです。
香取神宮の歴史と神様
そんな香取神宮ですが、
経津主大神(ふつぬしのおおかみ)が祭神として祀られております。
鹿島の武甕槌神(たけみかづちのかみ)と並んで、武道の神様としてよく知られております。
香取市佐原の祭りでは、山車の飾り物として大人形にも飾られており、親しまれております。
神宮の多くは、歴代の天皇が祀られていることが多いんですね。
例えば、平安神宮は桓武天皇、橿原神宮は神武天皇、近江神宮は天智天皇など、社会の教科書や百人一首で出てくるような、歴代の天皇が祀られています。
明治神宮は明治天皇が祭神となっております。
また、皇室の祖先神を祭神とする神宮もあり、天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られる伊勢神宮や、伊弉諾神宮は伊弉諾岐尊(いざなぎのみこと)が祀られております。
ここ香取神宮や鹿島神宮は、歴代の天皇や、祖先神ではない、日本書紀などの神話の神様が祀られているという、貴重な神宮です。
また、その歴史も大変古く、明治時代になって、神宮の称号が得られた社がほとんどですが、香取神宮と鹿島神宮は、平安時代から神宮として存在していたようです。
この頃から神宮として認められていたのは、香取・鹿島と伊勢神宮の3社だけという説もあり、その歴史の深さがうかがい知れます。 (諸説あります)
日本書紀
ちなみに日本書紀が完成したのは西暦720年。
40代天皇である天武天皇により編纂が始められた歴史書は、完成して昨年で1300年を迎えました。
そんな香取神宮の御祭神である経津主大神は、天照大神の御神意を奉じて出雲国譲りの大業を成し遂げ、日本建国の礎を築かれた神様です。
日本書紀には度重なる葦原中国(あしはらのなかつくに)の平定失敗に、高平原(たかまのはら)の神々は、
次に使わす神は経津主大神が適任としたものの、武甕槌神が激しく抗議をした結果、経津主大神に武甕槌神をそえて、葦原中国へ遣わしたという神話です。
佐原の祭でも、この時代の神話に登場する神々が、
山車の大人形として飾られております。
・伊弉那岐尊
・建速素盞嗚尊
・瓊瓊杵尊
・天鈿女命
・経津主命
・武甕槌命
などがあります。
総門
ちょっとした運動を経て体がほぐれた頃に、深緑の杜を抜けると2つ目の鳥居をくぐって現れる、朱色の総門が美しいです。
手水舎(ちょうずや)は感染症対策で柄杓がなく、樋から水が流れるようになっておりました。
楼門
そしてその先には楼門があります。
この楼門は西暦1700年に江戸幕府により造営された、歴史の深い建造物です。
総門同様に丹塗りの美しい姿ですが、縦横の黄金比のバランスというか、計算され尽くされような形の美しい建造です。
これは、正面から広角レンズのような視点で、全体を俯瞰するように建物を見ると、この意図が伝わるかもしれませんが、そのような美しさがあるんですね。
そして、楼門にかかる額は、東郷平八郎によるものです。
建造時と時代がずれますが、いつから飾られているかはわかりませんでした。
CMにも登場
そして、ここは、サントリーのBOSSの缶コーヒーのCMにも登場しました。
タモリさんとトミー・リー・ジョーンズがお祭りをしているところがこちらです。
実際は合成かもしれませんが、ちょうどこのようにオンエアされておりました。
本殿
楼門をくぐると本殿があらわれます。
他の有名な神社神宮に比べると、本殿は少し小ぶりな感じがします。
これは、香取の森の三本杉をはじめとする、大きな木々に囲まれているために、そう見えるかもしれません。
三本杉と御神木が太刀持ちと露払いのように、従えられているように見えました。
明治神宮のような圧倒的な存在感というはありませんが、自然に溶け込む美しさが際立っております。
ちょうど、夏越の大祓(なごしのおおはらい)ということで、罪や穢れ(けがれ)を祓清めてきました。
築320年
平安時代は伊勢神宮と同じように20年ごとに建て替えられていたようです。
現在の本殿は楼門同様、元禄13年、西暦1700年に建てられて以来、300年以上香取の森に守られております。
個性のある建築方法
この特徴のある屋根は檜の樹皮を用いた檜皮葺(ひわだぶき)です。
本殿を下から覗くと、一見地味な雰囲気ですが、下から見上げた時のしっとりと落ち着いたカラフルな派手さがあります。
北参道
さらに奥へ
また、本殿を横にさらに奥へ進むと北参道があり、見事な大木が並ぶ、まさに緑の廊下を歩いているようです。
木の高さがあるので緑の奥行きがあって、心が洗われるスポットです。
ぜひ午前中や日の高い時間に訪れたいスポットです。
寒香亭
さらに先には寒香亭という休憩所もあります。
おでん、甘酒、お団子などが用意されているようです。
展望台はちょっと残念でした。
木が伸びすぎてしまっており、北総の大地を見渡すことはできませんでした。
桜の馬場と鹿
さらに桜の馬場を通った先には鹿ちゃんたちもいます。
古い灯籠
ここまで来る方も少ないと思いますが、ぜひ古い灯籠なども見てみてください。
川崎銀行と掘られた灯籠もありました。
川崎銀行は三菱銀行となって、現在の三菱UFJ銀行と続いて行きますが、千葉県内にも旧川崎銀行の建物が現存しています。
香取市にある旧佐原支店
佐倉市の旧佐倉支店、
旧千葉支店など文化財になっている建造物も多いです。
旧佐原支店の建物は大正3年(1914)に建設され、その設計図は現在の清水建設によるものであることがわかっております。
その100年以上前の建物は現在修繕工事が行われておりますが、その工事の施工者がこれまた清水建設により行われているという、まさに現代への技術と歴史のバトンが引き継がれていて、ロマンを感じますね。
要石
そんなマイナスイオンたっぷりの空間を戻りながら、要石にも見に来ました。
要石は、地震を鎮める力のある地中深くまで続くと言われる石です。
諸説ありますが、経津主大神が石の剣を地中深くに突き刺し、地震をおこしてしまう大鯰の頭を突き刺したという言い伝えがあります。
江戸時代あの水戸光圀、水戸黄門様が参拝をした際に掘らせたけれど、根本まで掘ることができなかったそうです。
そんなことしたらバチがあたって、大地震を読んでしまうのではないかと思ってしまいますよね。
ちなみに水戸光圀が植樹した桜の木もありました。
要石はここ香取神宮だけでなく、鹿島神宮、大村神社(三重県)、鹿島神社(宮城県)にあると言われます。
鹿島神宮の要石も見たことがありますが、どちらも小銭がたくさん。
このようなところや、水の流れるところにはお賽銭が多いですね。
香取神宮はこのように丸い形をしておりますが、鹿島神宮は確か地面からわずかに顔を出している石の表面が、窪んでいる形をしていたと思います。
亀甲堂
そして山道を下り朱色の大鳥居をくぐると、美味しいものがたくさんお出迎えしてくれます。
本殿方面に向かうときに、すでに美味しそうなお団子などをしっかりチェックしてしまっており、潜在意識への刷り込みは完了済み。
贖うことなどできるはずもなく、お店に吸い込まれていってしまいました。
訪れたお店は亀甲堂さん
これからお食事も控えているので、お団子を前菜のピンチョス代わりにいただきます。
ここの亀甲堂のお団子は美味しいですよ。
お茶もサービスに入っておりますので参拝後の一休みには最適です。
そしていってみたかったお蕎麦屋さんへ向かいます。
野の花庵
「野の花庵」さん。
気になるお蕎麦屋さんですが、香取神宮の駐車場から、JR香取駅へ向かう道の少し山を登りかけた左側にあります。
今回は、野の花蕎麦(2品付き)をいただきました。
柔らかめの麺はそばの香りがよいです。
利根川を目指す
こちらを後にしてどんどん山を登っていきます。
そして山を降っていくのですが、「香取」という交差点に来ました。
市の名前がついた地名はというと、基本的には街一番の繁華街、だったり市役所が目の前だったりしますが、香取市香取はというと、山と田んぼの境目にはなりますが、一面のどかに田んぼが広がるエリアです。
香取市の中心地のイメージで、タクシーで「香取市香取」と行き先を告げた結果、訪れて到着したら、何もなくてびっくりするのではないでしょうか。
董橋
そんな田んぼを進むと朱色の橋が見えてきます。
この橋は董橋(ただすばし)と呼ばれ、その昔香取神宮へ参拝する方がここで、衣類や草鞋を履き替えて身を清めていたと言われています。
一の鳥居
さらに先に進むと利根川堤防が現れ、鳥居河岸が現れます。
江戸時代はこの辺りは香取の海と呼ばれ、川幅ももっとひろく、交通のメインが船でした。
なので参拝者は船で訪れる方が多く、ここから陸へ上がり香取神宮を目指したと言われています。
また、経津主大神もこの場所から陸へ入られたと伝えられています。
与謝野晶子も銚子に向かう際に立ち寄ったとされ、当地にて詠んだ歌が石碑になっております。
そして利根川沿いの景色ですが、夏の夕方はとても美しいですよ。
坂東太郎と呼ばれる利根川の、川面に輝く美しい太陽は、キラキラと反射して眩しく、自転車で通るこのサイクリングロードはとても気持ちいいです。
ここにリバービューのホテルがあったら、泊まってみたいと思ってしまいます。
鹿島線橋梁
銚子方面に1.5キロほど進むと、鹿島線の橋梁があります。
佐原とは逆方向なので、自転車か車がないと厳しいです。
ただし、電車の音好きの方にはいいスポットかと思います。
サイクリングロードから線路も近いですし、ジョイント音が好きな方にはたまらないポイントかと思います。
日に3往復貨物列車も設定されています。
そして反対側の香取市街地方面に向かい、この先に見える、水郷佐原大橋からは冬の晴れた日は、特にきれいな富士山が望めます。
一の鳥居からは3.5キロくらいですので、お団子とお蕎麦とプリンのカロリー消化にはちょうどいいかも知れません。
水郷佐原大橋
千葉県香取市と茨城県稲敷市を結ぶ全長で500を超える大型の橋です。
1977年に完成した橋は、成田線の千葉方面から佐原に向かうと、大戸駅を過ぎた後、カーブを曲がりながら左側にこの水郷大橋が見えてきて、まもなく佐原に到着する目安となるランドマークです。
その水郷大橋からは、2月の1日前後は、日の入り時に
富士山に日がしずんでいくのを見ることができます。
ちょうどこの場所から富士山の間に皇居があり、富士山を通りこしたその先には、伊勢神宮や伊勢神宮や高千穂神社を通っていくのです。
佐原のお祭りに絡めると、
武甕槌命(鹿島神宮)、
経津主大神(香取神宮)、
神武天皇(橿原神宮)、
伊弉那岐尊(伊弉諾神宮)、
仁徳天皇(大仙陵古墳)、
瓊瓊杵尊(高千穂神社)
天鈿女命、猿田彦(荒立神社)あたりが、
1本の帯で結ばれます。
レイラインといえるのかどうかは分かりませんが、パワースポットで結ばれている縁を感じますね。
このような見方でお祭りをみても、面白いものですね。
この辺りのサイクリングロードをお散歩していると、上空によく飛行機が飛んでいるのが見えるんです。
南風運用の時は、南方から飛来する航空機は、香取市の上空を旋回しながら通過することが多いです。
大体4000〜5000フィートくらいの高さで多く通過していきます。
意外と近く見えて、機種の判別くらいはできますので、結構飽きないです。
道の駅で牛乳にこだわる
そして道の駅。
ここではお弁当もしくは、喉を潤すのに牛乳はいかがでしょうか。
美味しんぼという漫画で、牛乳に関するエピソードがありました。
そのストーリーの中は、牛乳嫌いの子が飲めるようになったというお話があり、殺菌の方法による違いを解説していた回がありました。
一般的に市販されている牛乳の多くは、高温殺菌(120℃ 2秒)しているために味や香り、風味が落ちます。
ましてや140℃で2秒殺菌するロングライフ牛乳という括りもあります。
低温殺菌牛乳は(63℃ 30分)なので味や香りが残っているということなんですね。
それ以来、瓶の牛乳を発見しては、殺菌温度をチェックして、低温殺菌牛乳を発見したら、気になって飲んでしまうんですね。
高速のパーキングエリアなどは、いい牛乳が出没するチャンスが多いと感じますので、みなさん気にしてみてください。
今回のこの牛乳は、濃厚というよりもあっさりとても飲みやすい牛乳です。
お値段も税込140円ですので、牛乳付きの方は要チェックです。
この牛乳の殺菌温度はが80℃15分とのことで、低温殺菌牛乳の部類に入るのではないでしょうか。
瓶牛乳での63℃30分をなかなか見つけることはできないのですが、この牛乳は濃厚で美味しいですよ。
ぜひトライしてみてください。
佐原の古い街並みもいいですが、足を伸ばして半日係のお散歩コース行ってみました。
最近は市内を手軽に観光、散策できるようになりましたが、少し足を伸ばして、少しタフなお散歩にもぜひトライしてみてください。
ではまた次回にお会いしましょう。
こちらの動画もぜひご覧ください